SLAP(Saboted light armor penetrator)弾

ミリタリーデータ

日本語文献がなかったので翻訳してまとめてみた系の記事。

サボッテッド・ライト・アーマー・ペネトレータ(Saboted light armor penetrator)弾、略してSLAP弾は、通常の徹甲弾では貫通できない高レベルの装甲を貫通するために作られた弾である。
アルミニウム製部品で補強されたポリマー製サボット(シューとも呼ばれる)を持ち、本来の口径よりも小さい口径の炭化タングステン製徹甲弾を発射することができる、一種のAPDS弾である。
簡単に言うと軽量のカートリッジと軽量の弾丸を使うことで、速度(≒運動エネルギー)が増すという、高速徹甲弾(HVAP)と同じ理屈(そもそもAPDSがHVAPを発展させたものだけど)。
発射後は一般的なAPDS弾と同様にプラスチック製サボットは廃棄され、毎秒1.2km以上の速度で飛翔する炭化タングステン製の弾芯で装甲を貫通する。また先端は非常に鋭く尖っており、断面密度を増やして貫通力を高めているという。
この弾薬は主に車載型ブローニングM2マシンガンから発射され、APCやヘリコプターといった軽装甲目標に対する徹甲弾として使用されている。また通常のブッシュマスター製M2マシンガンにも対応しており、専用の改造をせずとも安全に使用することができるらしい。

もともとSLAP弾は1980年代半ばから後半にかけて海兵隊が開発したもので、第一次湾岸戦争ではAPCを破壊するなど活躍した。
その際、実は.50口径だけでなく.30口径のSLAPも開発されていたが、問題が多い上に貫通力の向上も限定的だったのでなかったことにされた。

残念ながら後述の理由でライフルでは正確に発射できず、またM107(バレットM82A3のアメリカ陸軍での呼称)での発射も禁止されている。

理由は”The Ultimate Sniper”曰く「SLAP弾は、その長さのために薬室に入らなかったり、銃の内部にダメージを与える可能性があるため、一部のライフルと互換性がない。またプラスチック製のサボットがマズルブレーキを詰まらせたり、横にいる観測手にぶつかったりすることもある。結論から言うとSLAP弾をライフルで発射する前に、その弾がチャンバーに収まり、発射に支障がないことを確実に把握しておくこと」とのこと

また米軍での活躍に影響を受けてか、14.5×114mmSLAP弾が中国で開発・運用されているという(詳細不明)。

・参考文献
https://en.wikipedia.org/wiki/Saboted_light_armor_penetrator
https://fas.org/man/dod-101/sys/land/slap.htm
https://guns.fandom.com/wiki/Saboted_light_armor_penetrator

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