フランスのヴィクトル・バルテルミー・ジャケ(Victor Barthélémy Jacquet)さんが1944年に考案した芋虫みたいな装甲戦闘車両。参考文献が少ないので謎が多い。
1944年9月25日、ヴィクトル・バルテルミー・ジャケは、高い超堤能力(垂直方向の障害物を走破する能力)を備えた戦車の特許を出願した。
この車両はボールジョイントによって連結された3つのキャビンで構成されており、各キャビンには動力部とトランスミッションがあった。
また前部キャビンはジャッキで持ち上げながら横向きにすることができ、それによってこの機械は2.5mの垂直な壁を突破できるはずだった。
※脚注:同時期の戦車では通常0.7から0.8m、高い超堤能力を持つとされるチャーチル歩兵戦車ですら1.2mなので、これは驚異的な数値と言える。(データはwikipediaより)
機関銃、対戦車砲、地雷発射装置からなる兵装は3つのキャビンに分散しており、基本的に重火器は後部キャビンに配置されている。
特に後部キャビンには75mm砲を搭載可能だった。
また全長は約6〜7mと推定される。
発明者のジャケは先述の通りとにかく超堤能力に焦点を合わせており、この点では彼の研究が優れていることを認めざるを得ない。
しかし1944年の試験で、超堤能力が他の能力を犠牲にしており総合的な性能は良くないことが発覚した。
このジャケの奇妙な装甲芋虫は、第二次世界大戦末期に存在した装甲戦闘車両に対峙すれば生き延びるのが困難であると思われる。
・参考文献、画像引用元
https://www.chars-francais.net/2015/index.php/9-archives/de-1945-1990/2363-1944-char-jacquet
https://thearmoredpatrol.com/2020/03/08/tap-special-8-char-articule-jacquet/
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