※2021年10月26日追記:一部を改定しました。
またT-28-85と「される」写真もコラージュ疑惑がありました。詳細はこちらの記事を
計画自体はマジで存在したけど、この写真はフェイク画像とのこと
搭載主砲とされるF-39 95 mm戦車砲は1940年にV.G. Grabin指揮下の第92工場によって開発されたもので、戦間期に計画された同口径のF-28野砲をベースにしている。また同時期に開発されていたF-34 76mm戦車砲の設計も流用されていたとのこと。
F-28 95 mm野砲は既存の76.2mm野砲の性能に不満を持った軍が、より射程や火力に優れる野砲を求めたことで開発が始まった砲であり、1940年2月12日に試験が行われた。また設計には当時同じチームが開発中だったF-25 122mm榴弾砲用の砲架が流用されていた。
しかしF-25榴弾砲が競争相手である122mm榴弾砲M1938(M-30)に敗北して開発が中止されたことに加え、軍が更に大口径かつ既存の口径である107mm弾を使用する野砲を求めたことでF-28野砲の開発も中止されてしまった。結果「親亀コケれば皆コケる」とばかりにF-39戦車砲の開発も中止されたというのが事の顛末らしい。
そんなF-39をT-28に搭載した場合の予想図がこちら。写真とは明らかに形状が異なることがわかる。ちなみにT-28の砲塔リング径は1620mmとT-34-85の1600mmより大きい上、F-30 85mm戦車砲を搭載した実績もあるので、95mm砲を搭載すること自体は割と無理なく実現可能らしい。実際F-39を搭載する車両が試作され、試験で45発を発砲したとのこと。実車の写真残しておいてくれ
これは余談になるが、野砲ベースのF-39 95mm戦車砲より高射砲ベースのF-30 85mm戦車砲の方が初速が大きいので、装甲貫徹力は後者の方が優れるとのこと。逆に榴弾の火力は前者が優れるもよう。
ともあれ、ネット上にはこういったフェイク画像が多数溢れているので、ソースを探して裏付けを取るクセをつけようと言った感じでした。おしまい
一方↓は一度引っかかって訂正をする筆者のツイート
・参考文献
コメント
コメント欄復旧ありがとうございます。そして、お疲れ様です。
早速ですが、
https://www.litres.ru/maksim-kolomiec/supertanki-stalina-is-7-i-drugie-sverhtyazhelye-tanki-sssr/
こちらの本に、T-28-85の写真も合成であるとの記述がありました。とすると、T-28-95も-85も実車は製作されていなくて、T-28に大型対戦車砲を搭載する試みはF-32やF-34あたりで終わっていたんでしょうかね…。
おっとマジですか…ちょっと調べてみますね
一応の結論にたどり着きましたので、新しい記事でご確認ください
お疲れ様です!
なるほど、85mm F-30搭載の試作車は実際に製造されていて、その写真も本物。しかし、複数写っている写真の方は合成ということだったのですね。写真のキャプションだけ見て早とちりをしていました。お手間をかけさせてしまい申し訳ありませんでした…。
それにしてもドラゴンから8.8cm高射砲搭載T-34商品名T-34 747(r) 8.8cm Flak36/37搭載型が発売されたときは驚きました。