今回はちょっとマイナーな戦車砲について
VT-42及びVT-43戦車砲は、1942年から製造が始まった45mm対戦車砲M-42をベースとした戦車砲。
M-42は、ソ連界隈ではお馴染み19-K対戦車砲の改良版である53-K対戦車砲のさらなる改良版で、砲身長が前任者たちの46口径から68.6口径まで延長され、装甲貫徹能力が向上している。
弾薬の寸法は前任者たちと同じ45×310 mmRであり、従来弾との互換性を維持しつつ、専用の強装弾を使用可能だった。
そこで当時火力不足が顕著だった20-K 45mm戦車砲を搭載するT-70軽戦車と、その改良版に当たるT-80軽戦車向けに、M-42戦車砲バージョンとして開発されたのがVT-42(T-70向け)及びVT-43(T-80向け)である。
両車両での試験結果は概ね良好であったものの、その頃にはクルスクの戦いで軽戦車そのものの有用性の低さが示されてしまっていた。
おまけに数少ない需要も装輪装甲車やレンドリースで送られてきたバレンタイン等の軽戦車で十分満たされていたことや、より強力な76mm砲を備えた自走砲型のSU-76の存在もあって、これらの戦車砲を装備した車両が量産に至ることはなく、それどころかソ連国内での軽戦車生産自体が終了してしまった。
なおVT-43搭載T-80は通常型T-80と同様に対空射撃試験にも供されたものの、こちらの結果はイマイチで採用には至らなかった。
・参考文献、画像引用元(最初の文献に貫通能力のデータがある)
http://battlefield.ru/armaments/vt42_43.html
https://www.reddit.com/r/Warthunder/comments/hti3mc/gaijin_please_the_t70_vt42_as_a_23_soviet_light/
https://www.tankarchives.ca/2018/04/t-70b-light-modernization-of-light-tank.html
https://www.tankarchives.ca/2020/03/the-first-t-80.html
https://ww2facts.net/28061-domestic-tank-guns-the-famous-forty.html
https://web.archive.org/web/20070929092910/http://www.rustrana.ru/article.php?nid=17578
https://web.archive.org/web/20090703185907/http://www.weaponwar.net.ru/sovetskij-soyuz/45-mm-pushka-53-k/
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