恒例となりつつあるマイナー兵器についての海外記事を翻訳してみた系記事。
66mm PaK 44はŠkoda 6,6cm KPÚV 5/800, 6,6cm PaK 44, Škoda A14, 6,6cm PaK 5/800などとも呼ばれるチェコの試作対戦車砲。シュコダ社が第一次世界大戦中に開発した各種7cm砲(口径は66mm)の他に例を見ない、66mmという口径が特徴。
これは1941年にシュコダ社ピルゼン工場がドイツ軍のためにA14という社内名称で開発したもの(軍からの要求等があったわけでなく、シュコダ社独自の計画だったようす)。どうやらドイツの5cm PaK 39 L/60よりも強力な対戦車砲を作ろうとしていたようで、おそらく同時期に開発が進んでいたドイツの7.5cm PaK 40の対抗馬に当たるだろう。1942年4月に試作砲による最初のテストが行われたが、ドイツ軍は非典型的な口径のために生産に興味を示さなかった。試作品は1945年にアメリカが書類とともに没収するまでピルゼンに残った。
砲身の長さは3300mm(L/50)で、5kgの徹甲弾を800m/sの銃口速度で発射できた。5cm PaK 39 L/60に比べれば格段に進歩しているが、7.5cm L/46 PaK 40(6,8kgの砲弾、790m/s)と比較するとPaK 40の方が明らかに優れている。また両砲とも重量はほぼ同じである(ラフェット付きで1,5トン)。一応7kg砲弾よりも5kg砲弾の方が輸送しやすく、同じ容積ならより多くの砲弾を搭載でき、装填も容易であるメリットはある。
弾薬はAP弾とHE弾の両方が使用できたが、詳細な性能は不明。
というわけで「5cm砲より強い対戦車砲を」というコンセプトで開発を始めてみたものの、同じコンセプトで有用かつ汎用性の高い同期が先に完成しちゃったのが運の尽きだった対戦車砲っぽい。
・参考文献
http://ftr.wot-news.com/2013/09/29/exotic-czger-guns-part-2-66mm-pak-44/
https://strangernn.livejournal.com/1252525.html
https://www.armedconflicts.com/6-6-cm-PaK-5-800-t65646
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