パラシュート付きのグレネードを投下し後方の敵機を加害・威嚇する自衛火器の一種。
DAGはDerzhatel’ aviatsiya Granat(英:Rack for aviation Grenades)の略で、和訳するなら航空擲弾架とでも言うべき対空擲弾投下器。
搭載機はPe-2、IL-2、IL-10など。
その名の通り10発のAG-2航空擲弾を装填している。また5発装填のDAG-5もある。
装填された擲弾は電磁石で固定されており、ハッチの解放→電磁石off→自由落下というプロセスで投下される。
投下後は空気抵抗でパラシュートが展開し、それによって信管が作動する。
砲弾(?)となるAG-2航空擲弾はパラシュートを備えた2kgの球形擲弾。
射出から3,4秒で炸裂し、100~130個程度の重さ3~80gの破片を最大50mの範囲(おそらく半径)にばら撒いて敵機を加害する。
編隊飛行の際などは友軍への被害を考慮する必要があったが比較的有用だったらしく、後部銃座と併用することで一定の撃墜記録が残されている。
特に爆発の威嚇効果は大きく、これを使うとビビって逃げる敵機が居たらしい。
信管を弄ると対歩兵にも使えるとの記述があるので案外便利なやつだったのかもしれない。
似た名前の兵器にAG-1があるが、こちらは歩兵用のF1手榴弾を流用したもの。
手榴弾はピンを抜きレバーを固定された状態で発射器に装填され、装薬の爆発で押し出された4,5秒後に炸裂し最大加害半径は100mほどだったという。
後に3つの手榴弾を同時に射出する装置が開発された。
画像1:DAG-10を搭載するIL-10。11がDAG-10
画像2:内部構造の詳細(左)
画像3,4:AG-2の構造
画像5,6:パラシュートを展開したAG-2と信管作動の仕組み
参考/画像引用元http://www.rkka.es/Armamento/005_Otro_armamento/001_AG-2/000_AG-2.htm
http://www.massimotessitori.altervista.org/sovietwarplanes/pages/il10/details/armament/armament.htm
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