航空機関砲の弾薬

ミリタリーデータ

弾種略号についての、ごく簡単な解説

・一般的な弾薬
AP(Armor-Piercing):徹甲弾
装甲を貫通するための弾薬。航空機銃では硬芯徹甲弾(APCR)、又は高速徹甲弾(HVAP)という弾を指すことが多い。
両者とも中心に硬く重い金属の弾芯と軽い金属の弾体を持ち、特に後者では重量を軽くする事で速度を高め、貫通力を高めている。
もっとも複合弾においては単に硬い弾芯が入ってる事を示しているって場合もあるから程々に受け止めてほしい。

Ball:多目的弾、汎用弾
一般的なフルメタルジャケット弾のこと。
とは言いつつ、鋼の弾芯が入ってることもある。
タングステンなどの弾芯を持つ弾丸ほど貫通力はないが、性質はAPに近い。

F(Fracturing):破砕弾
単体の弾薬ではなく、その弾丸が破片効果を持つことを表す。
英語圏ではFAP(フランジブル)弾程度しか見かけないが、榴弾を破片効果と爆風で区別する言語圏から英語に訳すとくっつくことが多い。

HE(High Explosive):榴弾、炸裂弾
内部に炸薬を含み、衝撃ないし信管で爆発する弾薬。
英語圏では破片効果メインでも爆風メインでも焼夷効果があってもまとめてHE扱いだが、それ以外の言語圏から英語に直すとHEFやHEIと言った表記になったりする。

I(Incendiary):焼夷弾
焼夷剤を装填した弾薬。
銃口を出た時点で燃えているものと、着弾時に発火するものがある。
後者は特に”AI(Adjustment Incendiary):着発焼夷弾”と呼ばれるが、あまり区別されないもよう。

P(Practice):演習弾
その名の通りの演習弾。弾道特性は再現しつつ炸薬量や貫通力、有効射程を抑えたものが多い。

T(Tracer):曳光弾
弾道表示の為に発光体を内蔵する弾薬。
単体でも発光体に由来する若干の焼夷効果がある。

SD(Self-destroying):自己破壊弾
一定距離飛翔すると自壊する弾薬。
航空機関砲においては主に曳光弾が残す弾道を制限する効果があるらしいがソースはない。これによって夜間戦闘時などに敵機に自機の存在を知らせにくくするのが目的らしいがやはりソースは(ry
対空砲弾においては、当たらなかった弾が落下して味方や非戦闘員に被害を及ぼすのを防ぐ目的がある。
構造的に曳光剤が燃え尽きた時点で自爆させるのが簡単だから基本的に曳光弾。

他、API-TやHEFIなどの複合弾は弾薬の性質に合わせて以上の単語を組み合わせたものなので、適宜自分で判断しよう(

・特殊弾薬
炸薬量のデータはソースがみつからないものもあるから話半分に聞いといて(
ソース知ってる人はくれ(迫真

Minengeschoß(ミーネンゲショス)
薄殻榴弾(日)Mine shell(英)とも呼ばれる榴弾の一種。
ドイツ製機関砲のHE(M)ってのは大体これ。
炸薬量は容積比にしておよそ8割、炸薬重量/弾丸重量だと18g/92g(MG151)、80g/330g(MK108)とえげつないことになってる。
※参考までに九九式一号銃の20mmHE弾は10g/128g、五式機関砲の30mm弾は37g/350g

マ弾
ホ103(12.7mm)用のマ103とマ102、ホ5(20mm)用のマ202がある。
マ103は着発式信管を持つ炸裂弾で、当初は機械式信管の不具合に悩まされたものの空気式信管(断熱圧縮を利用する信管)の開発により一定の成功を見た。
マ102は信管を持たない焼夷炸裂弾で、薄肉の弾頭が衝撃により炸裂する。

名前 実包重量 弾頭重量 炸薬量(PTEN)
マ103 82g 34.3g 1.8g
マ102 82g 33g 2.2g
HEI(Breda SAFAT) 82g 38g 0.8g

マ202はマ102同様信管を持たない焼夷炸裂弾で、薄肉の弾頭が衝撃により炸裂する。

名前 弾頭重量 炸薬量
マ202 78.2g 3.2gPTEN+8.7g焼夷剤
二式HEI 77.4g 3.4gRDXまたは0.4gRDX+3.7g焼夷剤

フランジブル弾(FAP/FAPDS)
命中時の弾頭が破砕し、散弾に似た加害範囲を形成する徹甲弾。
指向性が強い分、遅延式の破片榴弾よりも効率よく多層構造を破壊するらしい。
同名の拳銃弾種とは弾頭が砕けること以外に共通点は少ない。

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