対空T-34っていうと大戦中にドイツに鹵獲されて四連装2cm Flakを積んだ(↑の画像)やつが有名だよね。
それはさて置き戦前のソ連でも作ってたらしいって海外のブログを見つけたので、要約してみた。詳しく知ってる人はコメント等で教えてください
まず計画されたのは連装の23mm機関砲と一門の7.62mmDS機関銃(Mod.1940)を対空照準器を着けたT-34砲塔に搭載するものだった。
搭載する機関砲はMP-6航空機関砲の戦車搭載型であるPT-23TBで、これはT-40にも試験的に搭載する計画があった。
しかしこの機関砲の開発は遅々として進まず、最終的に開発者のタウビン氏は粛清されている。
次に計画されたのは四連装の37mm機関砲を特製の砲塔に搭載するものだった。
乗員は操砲手6名、運転手、車体銃手兼無線士の計8名で、砲塔には彼らを小銃弾や弾片から防御する程度の装甲が施された。
※航空機関砲や対戦車ライフルに対する能力を求める記述も散見されるので、正面だけ厚いのかも。
加えて
- 照準速度は標準的な四連装37mm対空砲架と同等であること
- 重量はT-34を超えないこと
- 操作特性はT-34に順ずるものとすること
- 発射速度は最低60rpmであること
- 行進間射撃能力を有すること
- 砲を固定しない状態での500km程度の自走能力を有すること
- 対空対地の両方で3000m程度の距離に対応する照準装置を有すること
- 俯仰角-5°〜85°の全集旋回砲塔を有すること
- 取り外し可能な弾片防御用砲塔天板を有すること
- 砲塔内に400発の即応弾薬を配置すること
- 廃薬莢を回収し、速やかに車外に廃棄出来る装置を有すること
- 乗員の道具箱を設けること
- 砲塔内に二丁の短機関銃を配置すること
などが求められたもよう。なお無線は標準で装備されるものを使うらしい。
ただ「照準速度は標準的な四連装37mm対空砲架と同等であること」というのは謎で、確認出来る限り37mm砲では四連装砲架がなく、四連装砲架があるのは25mm機関砲や45mm海軍砲程度だった(もしかすると試作はされていたのかもしれない)。
とはいえ、もしも完成した63式37mm自走対空砲(↓の画像)に近いものになったと思われる。あれは連装だけど。
余談ながらZSU-57の開発過程で「37mm四連装をT-34に積む計画があったけど没にした」的な記述があったりするので、計画の存在は確かであると思われる。
なお結局どちらの車両も独ソ戦の勃発により開発が中断され、試作されたかすら不明なもよう。
・参考文献(翻訳元)
http://tankarchives.blogspot.jp/2014/03/autocannon-t-34.html?m=1
コメント