Lercker マシンピストル

拳銃

世にも珍しい.25ACP弾を使用する全自動火器。
出来れば機関拳銃より短機関銃が良かったけど、背に腹はかえられない!(

イタリアのLercker(英語読みだとラーカー、イタリア語だとレチカー?)というガンスミスが設計したマシンピストルらしい。
拳銃にはあまり向かないオープンボルト式であり、ボルトを射撃前に解放しておく一手間が必要だった。
またハンマー(撃鉄)やストライカーは無く、撃針はボルトに固定されている。

これを引き金の前方に配置されたシアーで止めているので、射撃可能な状態で落とそうものなら高確率で暴発しそうである(個人の感想です。
セミ/フルオート射撃の切り替えが可能で、セレクターレバーはフレームの左側にある。
発射速度は1200rpmと高く、にも関わらずマガジンの容量は20発。
加えてストックなども無いため、いくら反動の少ない.25ACP弾とはいえフルオート射撃に実用性があったかは疑問とのこと。
しかし全長18.4 cm、重量930 gの本銃は「隠し持てる全自動火器」という点では優れていたと言えるだろう。
この銃がいつ頃作られたかは不明で、1950年代だとも1960年代だとも言われている。
ちなみにアメリカにおける特許の出願は50年代とのこと
また製造数も150から500の間で議論が分かれている。
その後はイタリア政府によって全自動火器の規制が行われた為、フルオート射撃以外に見所のない本銃の販売は出来なくなった。

まぁ実用性はいいんだ。大事なのは「.25ACP弾を使用する全自動火器が存在した」ってとこだから…

・おまけ
.25ACP弾とは
6.35×16mmSR弾とも呼ばれる、1900年代にブローニングが設計したセンターファイア式の拳銃弾。
一般に流通しているセンターファイア式の拳銃弾としてはおそらく最小の部類。.22LRはリムファイアだし、より小さい弾はそうそう流通していない。
弾頭重量、装薬量共に少なく威力は小さいものの、その分軽い反動が小さく扱いやすい為、護身用の小型拳銃などで使用される。
この弾を使う有名どころの拳銃としては、コルト・ベスト・ポケットなどがある。
他にもスリーブガンとして使われるような小型拳銃で使われるのも大抵この弾か.22LR弾。

・参考
https://www.forgottenweapons.com/machine-pistols/lercker-machine-pistol/
wikipedia英語版
https://patents.google.com/patent/US2718818

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