深夜にぐるぐる目で作ったガンギマリ考察を元に原稿を作った怪文書なので、あまり真剣にとらえないでください。
ウマ娘の生物学的起源はどこにあるのか?我々は様々な事実から複数の簡単で考察し、いくつかの仮説を立てた。
では、そもそもウマ娘とはなんなのか?
これはアグネスタキオンによると、「そもそも我々ウマ娘は、存在自体がいまだ深遠なのだよ、君。人類に酷似した外見でありながら高性能・高機能な耳と尾を持ち、その筋力は質量に反し異様に甚大。特に走力は動物界においても突出しており、全種族中でも上位に値するスピードを有している――」とのことで、未だ謎に包まれた存在である。
その存在は古代エジプトの壁画にも残されていることから、遅くとも紀元前30年までには誕生していたことがうかがえる。
またアグネスタキオンによるとウマ娘には「ウマムスコンドリア」という「微生物」が「骨格筋にのみ存在」していると噂されており、その存在を証明すべく研究しているとのこと
そんなウマ娘にはオスに当たる個体が存在しない。一方で複数のウマ娘にヒトの兄弟が存在する事実からウマ娘からヒトのオスが生まれることはある。
またヒトのメスからウマ娘が誕生することはなく、ウマ娘はウマ娘からしか生まれないとのこと。
これらの事実から「基本的にヒトとウマ娘は同種(交雑が可能)である」ことが言えるだろう。
では何がヒトとなるかウマ娘となるかを決定付けるのか。我々はいくつかの要因に思い至った。
遺伝子、細胞内共生、そして寄生虫感染である。
まずは遺伝子。これはウマ娘はヒトの亜種であり、特定の遺伝子がウマ娘としての形質を発現させるというものである。なお以降、これをウマ娘遺伝子と呼称する。
この遺伝子が稀な突然変異によって生じたものであれば、ヒトのメスからウマ娘が誕生しないという事実と矛盾することはないだろう。
また基本的に哺乳類の形質は雌型が基本形であり、Y染色体の働きによってオス化することが知られている。
この場合ヒトのY染色体に含まれる遺伝子がウマ娘遺伝子の働きを阻害することで、ウマ娘からヒトのオスが誕生すると考えるのが自然であろう。
しかしこの説にはいくつか不合理な点がある。
まずウマ娘遺伝子はどこに存在するのか、という点である。
哺乳類のメスが持つ染色体は性染色体であるX染色体と常染色体のみで、オスはそれに加えて性染色体としてY染色体を持っている。
もしメスの染色体にウマ娘遺伝子が存在し、それがメンデル遺伝に従う場合、交雑の過程でヒトのメスからウマ娘が一定の確率で誕生するのだ。
例えば純系のウマ娘と純系のヒトを交雑した場合、ウマ娘遺伝子を持つヒトのオスが誕生する。
一方のメスは、ヒト形質とウマ娘形質は対立遺伝子で制御されてるいると考えられるため、ウマ娘遺伝子が優性遺伝子であればウマ娘に、劣勢遺伝子であればヒトのメスになる。
前者であれば雑種のオスとヒトのメスが交雑すれば「ヒトのメスからウマ娘が誕生する」し、後者でも雑種同士で交雑すればやはり「ヒトのメスからウマ娘が誕生する」のだ。
もっともウマ娘遺伝子がメンデル遺伝に従わない可能性は否定できないので、これをもって「染色体上にない」とまでは言い切れない。
ではミトコンドリアのように細胞質に存在し、母系遺伝によって子孫に伝えられる可能性はどうだろうか?
この場合には特に問題なく遺伝が行われるが、それが果たして遺伝子によるものなのか、それ以外の何かによるものなのかは断言できない。
次に問題となるのが「骨格筋にのみ存在する」という「ウマムスコンドリア」の存在である。
これは細胞小器官ではなく「微生物」であるため、そもそもウマ娘遺伝子の作用で作り出されたものであるとすると生物学的に矛盾が生じるのだ。
もちろんアグネスタキオンが勘違いや言い間違いをした可能性はあるが、筆者は彼女に絶対の信頼を置いているので、その可能性は排除する。彼女は正しい。いつだって。絶対に。だから気に入った。
そこで我々が思い至ったのはウマムスコンドリアが細胞内に共生することでヒトがウマ娘化するという細胞内共生説である。
母体の骨格筋に存在するウマムスコンドリアが、なんらかの方法で胎児の骨格筋に伝えられればこの説は成立する。
と言いたいところだが、哺乳類の胎盤は栄養分と酸素以外を通さない鉄壁の護りであり、また筋肉細胞外に出た微生物が免疫を掻い潜る事は困難であると思い至り、早々に有力視できなくなってしまった。
最後に我々が思い至ったのは「ウマムスコンドリア」が一種の寄生虫であり、それが感染することによってヒトがウマ娘化するという説である。
寄生虫は宿主の免疫を掻い潜って特定の細胞に寄生する能力があり、かつ宿主の形質に大きな影響を与えることも知られている。
例えばボルバキアと呼ばれる寄生虫は宿主の性別を変えたり、卵巣に寄生して次の世代へ伝わることが知られている。
この寄生虫が骨格筋に定着した状態がウマムスコンドリアであれば、全ての説明が矛盾なく行える。
この寄生虫の誕生が人類史において比較的最近の出来事であるならば、文明誕生以前の生存競争にヒトのメスが敗北しなかったことも一定の説明が付く。
これらの仮説を元に我々は今後も研究を継続する。
願わくば、この文書が後世の徒の役に立たんことを。
人の世に熱あれ、ウマ娘に幸あれ。
・参考
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