”Gravel mine”(砂利地雷)又は”Button mine”(ボタン地雷)はアメリカで開発された空中散布式の対人地雷。
以前紹介したものはこちら
ベトナム戦争中に「マクナマラ・ライン」を構築するため、広範囲に散布された。
脱出したパイロットなどを救出する作戦を実行する際に、迅速に「障壁」を構築して敵の接近を阻害する目的で使用された。
外見は緑または茶色に迷彩された小さな布袋であり、中には二枚のプラスチックシートに挟まれた爆薬と30グラムの目の粗い粉末ガラスが収まっている。
この爆薬は楔状又はキューブ状に成形されており、散布後に活性化し衝撃で爆発するようになるため信管などは必要としなかった。
この性質故に散布まではFreon 113という不活性剤に浸されており、それが散布後3〜8分で揮発する事で爆薬が活性化する。
地雷の大きさは様々で、敵センサーへの警告を主目的としたボタン地雷から、踏んだ人間を死なない程度に負傷させるサイズのものまでがあった。
これは戦闘能力を削いだり侵入を防いだりする事が目的であり、敢えて殺害には不十分な量の爆薬を備えていた。
また時間経過で爆薬を不活性化するシステムが搭載されていたとされているが、詳細は不明。
なお使用した米軍側の資料には、「迷惑」程度の有効性しかなかったという記述がある。
これはベトコン側が丸太を動物に引き摺らせて地雷を除去したり、地雷が短時間で不活性化してしまうのが理由とのこと。
地雷は1967年から1968年に掛けて3700万個が製造され、その後も1970年まで製造された。
・諸元など
散布は各クラスター爆弾に12から16個納められたSUU-41A/AまたはSUU-41B/Aディスペンサーから行われ、一つの爆弾には 1,470個から7,500 個の地雷が含まれていた。爆弾は航空機から60~6000メートル、370km/h~1300km/hの速度で投下することができる。ディスペンサーは高度200から300メートルで破裂することで地雷を撒き散らした。
名称 | 形状・大きさ | 爆薬の詳細 | 種類 | Notes |
---|---|---|---|---|
XM22 | 扇形, 半径 64 mm | 11.6 g of RDX/アジ化鉛 | 爆発(加害) | |
XM27 | 扇形, 半径 83 mm | 27.7 g of RDX/アジ化鉛 | 爆発 | |
XM40E5 | 長方形 45 x 32 mm ,厚さ 10 mm | 0.54 g of 塩素/リン系爆薬 | 照明/警告 | 「湿重量」6 g. |
XM41 | 扇形, 半径 89 mm | 16.3 g of RDX/アジ化鉛 | 爆発 | |
XM41E1 | 正方形, 70 ~ 77 mm | 9.4 g of RDX/アジ化鉛 | 爆発 | |
XM44 | 正方形, 25 mm | T77またはXM114電気雷管 | 警告 | |
XM45E1 | 長方形、45 x 32 mm | 0.7 g of RDX/アジ化鉛 | 爆発 | |
XM65 | 長方形 76 × 70 mm | 10.3 g of RDX/アジ化鉛 | 爆発 |
ディスペンサーの構成(特記無き場合ディスペンサー一つ当たり)
-SUU-41A/A
150×XM41E1(クラスター爆弾(以下CBU)あたり10個のディスペンサー
750×XM40E5(CBUあたり10個のディスペンサー
650×XM40E5と48×XM44(CBUあたり10個のディスペンサー
-SUU-41B/A
150×XM65(CBUあたり10個のディスペンサー
・参考文献、画像引用元
https://en.wikipedia.org/wiki/Gravel_mines
http://highpowerrocketry.blogspot.com/2011/04/gravel-mines-also-called-button-mines.html?m=1
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